サラトフ(読み)さらとふ(その他表記)Саратов/Saratov

デジタル大辞泉 「サラトフ」の意味・読み・例文・類語

サラトフ(Saratov/Саратов)

ロシア連邦西部、サラトフ州都市。同州の州都。ボルガ川流域に位置し、河港を有す。チェルヌイシェフスキー記念オペラバレエ劇場などがある。人口、行政区83万(2008)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラトフ」の意味・わかりやすい解説

サラトフ
さらとふ
Саратов/Saratov

ロシア連邦西部、サラトフ州の州都。人口88万1000(1999)の大都市で、ボルガ川右岸に位置し、河港を有する。モスクワボルゴグラードカザンウリヤノフスクと連絡する鉄道、自動車道の分岐点、またボルガ沿岸地域の工業、文化の中心地として発展している。ロシア革命後から第二次世界大戦まで、モーター、ボールベアリング、食品工業用設備などの機械工業施設が建設されたが、戦後、航空機、繊維、皮革化学工業用設備製造、石油加工業、各種軽工業などが発展した。教育・文化施設も多く、総合大学、音楽、工科、農業、医科、獣医科、経済、法科、教育などの大学や高等教育機関、チェルヌィシェフスキー記念オペラ・バレエ劇場、ドラマ劇場、人形劇場、サーカス場、美術館、郷土博物館などの文化施設がある。

 1590年、ボルガ水路を守る要塞(ようさい)都市として建設され、17世紀後半に水陸の貨物積み換え地点、水産物、塩の取引中心地として発展した。19世紀後半には製粉、油脂製造工業がおこり、製パン用粉の大取引中心地であった。初めボルガ川右岸につくられ、17世紀初め左岸に移ったが、ステンカ・ラージンの乱で破壊されてふたたび右岸に再建された。1965年に右岸と左岸を結ぶ橋が建設された。ロシアの哲学者で文芸批評家のチェルヌィシェフスキーの生地で、その住居博物館がある。

[中村泰三]

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改訂新版 世界大百科事典 「サラトフ」の意味・わかりやすい解説

サラトフ
Saratov

ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシア南東部の同名州の州都。人口85万7961(2004)。ボルゴグラードの北350km,ボルガ右岸に位置し,帝政時代から商業都市で,小規模な食品工業などもあった。現在は工業・文化の一大中心地で,精密機械,石油精製工業などが盛ん。1909年に創立されたロシアで11番目の大学をはじめ高等教育機関,劇場,博物館などが多数ある。19世紀の革命思想家でレーニンにも大きな影響を与えたチェルヌイシェフスキーの出生地で,彼は長い流刑ののち,この市で死去した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラトフ」の意味・わかりやすい解説

サラトフ
Saratov

ロシア西部,サラトフ州の州都。ボルガ川中流部右岸に位置する河港都市。 1590年代にボルガ交易路を守る要塞として建設された。 1616年市は左岸に移ったが,S.ラージンの農民反乱で破壊されたのち,74年右岸に再建され,商業中心地として発展。 1870年代にモスクワから鉄道が延び,さらに第2次世界大戦中から近郊で天然ガスの採取が始り,工業都市として急速に成長。化学工業を中心に,製油,機械,トラクタ部品,ベアリング,皮革,食品,木材加工などの工業がある。教育,文化の中心地として,サラトフ大学 (1909) をはじめとする9大学,音楽院,芸術博物館,チェルヌイシェフスキー住居博物館などがある。鉄道,ハイウェーの分岐点。人口 83万7831(2010)。

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百科事典マイペディア 「サラトフ」の意味・わかりやすい解説

サラトフ

ロシア,ボルガ川下流の河港都市で,同名州の州都。機械,製油,化学工業が行われる。ボルガ・ウラル油田の中心で,天然ガス,石油が採掘され,モスクワなどの都市へ送られる。大学(1909年創立)がある。1590年創設。18世紀後半のドイツ人入植とともにドイツ文化が流入。第2次大戦前まではドイツ系ロシア人も多く住んでいた。82万9073人(2009)。

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