チェコスロバキア音楽(読み)チェコスロバキアおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェコスロバキア音楽」の意味・わかりやすい解説

チェコスロバキア音楽
チェコスロバキアおんがく

古くからヨーロッパ諸国の政治的,宗教的紛争の影響を受け,音楽も多分にその状態を反映している。ボヘミア地方の音楽は旋律の構成法,リズム,形式に規則的な性格を示し,一方スロバキア,南モラビア地方のものは,不規則性と自由な構成がその特色となっている。バッグパイプはこの地方の代表的楽器である。また最近では,民俗楽器のダルシマーを加えたブラス・バンドが復活している。芸術音楽では,18世紀に活躍したベンダ兄弟や J.シュターミツもボヘミアの出身である。『売られた花嫁』で知られる近代チェコ音楽の創始者 B.スメタナ,交響曲作曲家 A.ドボルザーク,『メッシナの花嫁』の作者 Z.フィービヒは古典的,伝統的傾向が強い。一方モラビア出身の L.ヤナーチェクは民族的傾向を一層明確に示した。 J.フェルスターは現代音楽への橋渡しをし,即物主義的傾向とともに 20世紀の新しい道が V.ノバーク,J.スークらによって開かれた。その後は,伝統を尊重する流れと,4分音音楽で有名な A.ハーバに代表されるむしろ世界的傾向をもつものに分れている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android