チトラル地区(読み)チトラル(英語表記)Chitral

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チトラル地区」の意味・わかりやすい解説

チトラル〔地区〕
チトラル
Chitral

パキスタン北部,カイバル・パクトゥンクワ州マラカンド県にある地区。旧チトラル藩王国の中心地。ヒンドゥークシ山脈の南東斜面を占め,北部から西部はアフガニスタンと接する。前1世紀頃から中国の支配下にあったが,11世紀からアフガニスタンのイスラム教徒が移住。1889年にイギリス軍が駐屯,1947年にパキスタン領となった。その後もスルタンのもとに藩王国として自治が続いていたが,1971年以降,チトラル地区としてパキスタン行政下に入った。標高 1500m前後の高地に位置するが,峡谷部は土地が肥沃で,コムギオオムギ,トウモロコシ,イネが栽培され,クルミ,ブドウ,アンズなども豊富。鉄,銅,マンガン鉱床がある。ヌーリスターン人系のホー族が住む。面積 1万4833km2。人口約 16万。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android