日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュバシア」の意味・わかりやすい解説
チュバシア
ちゅばしあ
Чувашия/Chuvashiya
ロシア連邦西部にあり、同連邦に属するチュバシ人の共和国。チュバシ共和国Чувашская Республика/Chuvashskaya Respublikaともいう。ソ連成立(1917)後の1925年に自治州から昇格してチュバシ自治ソビエト社会主義共和国Чувашская АССР/Chuvashskaya ASSRとなり、ソ連崩壊(1991年12月)前年の1990年に国家主権宣言を行って、名称もチュバシアと改めた。面積1万8300平方キロメートル、人口136万2000(1999)。首都チェボクサリ。ボルガ川右岸中流域の森林と森林ステップ地帯にあり、森林が国土の約3分の1を占める。トルコ(チュルク)語群に属するチュバシ人が住民の大部分(67.8%)を占め、ほかにロシア人(26.7%)が多い(1989)。チュバシ語とロシア語が公用語である。住民の約40%は農村に居住している。工業は電気機械、木材加工、繊維、食品工業がおもで、農業は穀作(春小麦、ライ麦)、大麻、果樹栽培と畜産が盛んである。主要な交通路はモスクワ―カザンを結ぶ鉄道、チェボクサリから放射する自動車道、ボルガ川の水運である。
[中村泰三・小俣利男]