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農村 のうそん rural village

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

農村
のうそん
rural village

経済生活の基礎を農業におく村落。平地の村では住民の多くが農業に従事しているので,一般に田舎を農村といい,都市に対する言葉としても用いられている。農村のなかには,古くから村落立地の条件に恵まれたところに自然発生の集落として成立したものもあるが,歴史時代以降,荒地を開墾したり,臨海の低地や湖沼の沿岸などを干拓して耕地として形成された開拓集落もある。

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デジタル大辞泉の解説

のう‐そん【農村】

住民の大部分が農業を生業としている村落。「農村地帯」

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百科事典マイペディアの解説

農村【のうそん】

おもに農業を生業とする人びとが構成する地域社会山村漁村とともに都市に対する村落の呼名。多くは封建制下の農村の歴史的特質を受け継ぎ,父祖伝来の農業に家族が一体となって従事する住民の集団を主体とし,人と人との間の直接的接触性,血縁的結合が強く,閉鎖性,保守性等を特徴とするとされる。
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世界大百科事典 第2版の解説

のうそん【農村】

農業に従事している人々がおもに居住している地域。農業には比較的広い土地が必要なことから,散在する農場や農家の構成する小集落の形をなすことが多い。一般に地域社会は都市と農村という二つの類型に分けられるが,農村の特質を示すものとしての両者を区分する基準については,ソローキンが職業,環境,地域社会の規模,人口密度,人口の異質性,階層分化,人口移動相互作用の型という8指標をあげたのをはじめ,多くの考え方が示されてきた。

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大辞林 第三版の解説

のうそん【農村】

農家が大部分を占める村落。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

農村
のうそん

農業者が居住する村落をいう。現在は農業者のみが居住する純農村は少なく、農業者が養蚕、畜産、山林などを兼営したり、漁業を兼ねる場合が少なくない(半農半山村、半農半漁村など)。日本では1953年(昭和28)の町村合併促進法によって全国的に町村合併が進められて地方自治体の管内が広域化し、市、町という行政区域内にも農村集落が多く含められている。[浅香幸雄]

立地・形態

先史・古代には、飲料水や耕地の得やすい湧泉(ゆうせん)や川のほとり、水害のおそれのない微高地、日照に恵まれた土地などが集落の立地地区として選ばれ、中世・近世と時代を経るにしたがって人口が増加し、飲料水の取得や灌漑(かんがい)・排水の技術が発達し、それらの組織が強化されるに伴って扇状地、台地、低湿地、丘陵、山地へも集落地域が拡張されるようになっていった。また熱帯地域の高原地帯や砂漠のオアシス、季節風の激しい砂丘や台風地域では風下斜面が集落立地の好条件地域として選ばれている。農村集落の形態は、土地区画(土地割)、道路網、耕地の形とその分散状況などと結合して決定され、そこでの生活や生産活動・機能にも深くかかわっていて、集落形態の研究は早くから地理学の主要研究課題とされてきた。集落の平面形態は、家屋が密集した集村と、各家屋が分散した散村(散居村)に大別される。アジアやヨーロッパの農村には集村が多く、アジアでは水稲耕作に使う農具の貸借や労力の交換に好都合で、ヨーロッパの三圃(さんぽ)式農業地域でも共同作業に便している。自然発生的な集村には家屋が不規則に密集した塊村が多いが、計画的に開拓された集村では家屋が細長く並んだ列状村や規則正しい形態のものが多い(例、日本の武蔵野(むさしの)その他の新田集落)。散村は、日本では礪波(となみ)平野(富山県西部)、出雲(いずも)平野その他にみられ、外国では、ヨーロッパの北西部(スカンジナビア、バルト海沿岸諸国)、中部(ライン河谷、オーストリアのチロル)、南部(スペイン北西部、イタリアのロンバルディア平原)、北アメリカ(アメリカ合衆国、カナダ)、南アメリカの平原にみられる。その分布は日本では大部分が不規則であるが、北海道の屯田兵(とんでんへい)村や欧米のものは規則正しいのが特色である。[浅香幸雄]

農村社会

農村はもともと土地に強く結び付いて自給的な経済生活を主とし、集落も小さく人口密度も低かった。村民は祖先伝来の家に住み、村民相互はよく知り合っている。田植の共同作業の慣習が長く続けられ、互いに農作業や農業技術を学び合ってきた。また冠婚葬祭の手助けはもとより、講や村内での共同飲食の習慣は、新年をはじめ春秋の祭礼・農休などのおりにはいまも続けられている。農村人が自由な発言を差し控え、大勢に順応する気風が目だつとされるのは、こうした生産と生活のなかに醸成されてきたのであった。さらに村民間には、本家・分家、所得格差、教養や社会的活動の差などが加わって、村民間に階層差ができている。[浅香幸雄]

日本農村の変貌

第二次世界大戦前には、日本の農村には共同体秩序と封建的性格の残存がみられたが、戦後はそれらは一掃され、村民気風は著しく変貌(へんぼう)している。農地解放によって地主制は解体され、小作農は地主との従属関係から解放され、村民間の階層差は著しく縮小して平均化の途をたどった。続いて日本経済の高度成長に伴って都市地域に大いに工業がおこって、多くの農村民は工業労働力となって都市へ通勤し、あるいは移動した。このため農村では専業農家が減少して兼業農家と非農家が増加し、農村人口は減少しつつある。しかし農業そのものの体質改善が行われ、蔬菜(そさい)、花卉(かき)(草花)、果樹、家畜などが導入され、特産地化しているものが少なくなく、多彩な様相を呈している。また兼業農家でも、就業先の業態によっては、すべてが所得の安定が図られているとはいいがたく、季節的離職がみられる場合も少なくなく、安定した兼業を求める声も聞かれる。[浅香幸雄]

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