大麻(読み)たいま

知恵蔵「大麻」の解説

大麻

大麻取締法」で規制される大草およびその製品のこと。大麻草は中央アジア原産の一年草で、葉や花に幻覚作用や中枢抑制作用をもたらすTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分を含んでいる。乾燥させた大麻は「マリファナ」、葉や花から採れる樹脂を圧縮加工した大麻樹脂は「ハシシュ」「ハシシ」などと呼ばれる。大麻を摂取すると、独特の心地よさやリラックス感があり、からだもほぐれるような気分になるといわれる。薬理的には、心拍数の増加や結膜の充血、食欲の亢進(こうしん)、口渇、頻尿、悪心、嘔吐(おうと)などの作用をもたらす。また、慢性的に使用することにより、喉頭炎(こうとうえん)、慢性気管支炎の原因となったり、男性ではテストステロンの分泌低下、精子数の減少、女性ではプロラクチンの分泌低下、月経異常などの障害を引き起こす。身体的な影響だけでなく、大麻は常習することで精神的な障害を引き起こす。大麻常習乱用者には、(1)忍耐力に乏しく欲求不満に陥りやすい(2)感情の起伏が激しい(3)常に朦朧(もうろう)状態にある(4)うつ状態、自己陶酔、まやかしの行動、病的虚言-などの精神的特徴がみられる。このような身体的・精神的な影響と同時に、大麻はコカインやLSD、ヘロインなどより強力な薬物を使用するきっかけとなる「ゲートウェイ・ドラッグ」であることも問題とされている。大麻は、大麻取締法で規制されており、栽培や所持、売買などは禁じられているが、吸引には罰則規定がなく、種子は規制対象から外れている。そうした法の目をかいくぐり、種子の販売や種子からの大麻の不正栽培を行い、摘発されることが増加している。また、大学生をはじめとする若年者による大麻取締法違反の事例が多く報道され、社会問題となっている。

(星野美穂 フリーライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

精選版 日本国語大辞典「大麻」の解説

たい‐ま【大麻】

〘名〙
伊勢神宮毎年一〇月一五日から歳末にかけて頒布される神札
※常基古今雑事記(17C中)(古事類苑・神祇三六)「大麻と云は祓の具也。今しでを付檜をはりたるを祓と云、是大麻也」
② 幣(ぬさ)を尊んでいう語。おおぬさ。
※玉葉‐仁安三年(1168)一二月二六日「次宮主献大麻
③ 武具。指物の名。
④ 植物「あさ(麻)」の漢名。〔薬品手引草(1778)〕
アサの茎から取る繊維。丈夫で長いため魚網、船舶用の綱、蓆(むしろ)、夏の洋服地などに使用される。
⑥ アサの変種、インドタイマのこと。また、それから得られる麻薬。〔薬品名彙(1873)〕

おお‐あさ おほ‥【大麻】

〘名〙 麻。たいま。《季・夏》

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

百科事典マイペディア「大麻」の解説

大麻【たいま】

神宮大麻伊勢神宮が歳末ごとに信徒の家庭に配る神符。家庭では神の形代(かたしろ)として,神棚にまつる。神宮では大御璽(おおみしるし)と呼ぶ。遷宮の際の廃材と和紙で作り,古くは御師(おし)が諸国の檀那(だんな)に配ったが,明治以後は神宮司庁が各府県神社庁を通じて配布した。伊勢神宮以外の神社の神札をいう場合もある。
→関連項目伊勢参り神棚

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「大麻」の解説

大麻
おおあさ

北海道南西部,江別市西方にある地区地名野幌(のっぽろ)屯田兵村のアサ畑に由来。1964~70年,新住宅市街地開発法に基づき道営の大麻団地が野幌丘陵に造成されてから,札幌市近郊の住宅地として発展。付近に野幌森林公園道立自然公園北海道博物館,北海道立図書館,酪農学園大学などがある。

大麻
たいま

神の形代 (かたしろ) として神社から授与される神札。伊勢神宮のそれが名高く,特に神宮大麻と称されることもある。毎年 10月 15日から年末にかけて配布され,神棚に祀られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉「大麻」の解説

たい‐ま【大麻】

ぬさを敬っていう語。おおぬさ。
伊勢神宮などで授ける神符。
アサ別名。また、その葉や樹脂から製する麻薬麻酔鎮静催眠・幻覚などの作用がある。日本では大麻取締法で規制されている。マリファナ。ハシシュ。

おお‐あさ〔おほ‐〕【大麻】

の別名。たいま。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版「大麻」の解説

大麻 (オオアサ・タイマ)

植物。クワ科の一年草,薬用植物。アサの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典 第2版「大麻」の解説

たいま【大麻】

古くは〈おおぬさ〉と言い,伊勢神宮で歳末ごとに頒布する神札のこと。一般神社の神札の名称として用いることもある。古来寺院では大般若経仁王経などを何度も誦し,その回数を記した巻数かんず)を祈禱依頼者に配ったが,伊勢神宮もはやくからこれにならい,祓詞(はらえことば)を何度も修して千度祓,万度祓のお祓大麻を配った。神宮では〈大御璽(おおみしるし)〉と称し,〈お祓さん〉とも〈大神宮さん〉とも親しみを込めて呼ばれた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

国民栄誉賞

内閣総理大臣表彰の一つ。1977年内閣総理大臣の福田赳夫の決裁により設けられた。「広く国民に敬愛され,社会に明るい希望を与えることに顕著な業績のあった者」に贈られる。第1回受賞者はプロ野球選手の王貞治...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android