日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョーリーウッド法」の意味・わかりやすい解説
チョーリーウッド法
ちょーりーうっどほう
パンの伝統的な製法を基本的に技術革新し、化学的酸化を基本として1961年にイギリスで完成された製パン法。この方法を開発したフラワー・ミリング・エンド・ベーキング・リサーチ・アソシエーションの所在地チョーリーウッドChorleywoodからこの名がつけられている。小麦粉からパン生地(きじ)をつくる伝統的製法は、生地に多量の空気を抱かせる混捏(こんねつ)を原則とし、さらに臭素酸カリウムをも加えて酸素を化学的に補充する方法をとってきた。これに対し、生地1ポンド当り5ワット時(1キログラム当り11ワット時)のメカニカル・ドウ・デベロップメン(機械的生地の伸展)のエネルギーを加えるとともに、アスコルビン酸75ppmによって酸化作用を行わせ、気泡均整化のために油脂2%を添加する方法である。この混捏用ミキサーは空気を完全に排除しうるミキサーを応用している。この技術はビートルズと並んで女王から賞を受け、国際的にも高く評価された。
[阿久津正蔵]