チ37号事件(読み)チさんじゅうななごうじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チ37号事件」の意味・わかりやすい解説

チ37号事件
チさんじゅうななごうじけん

第2次世界大戦後最大の紙幣偽造事件。 1961年 12月7日秋田県で初めて発見されたにせ千円札は,2年間に 22都府県で合計 343枚に達した。警察は偽造前歴者など 15万人,印刷機2万台の所有者を捜査したが,有力容疑者を逮捕できないまま 73年 11月3日に時効完成。この贋札が精巧なものであったため,63年千円札のデザインは変更された。

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世界大百科事典(旧版)内のチ37号事件の言及

【贋金(偽金)】より

…明治に入っては,ドイツに印刷を発注した二円札(1872発行)の贋物が大量に出回ったことがある。第2次大戦後で有名なのは,〈チ37号事件〉と呼ばれる聖徳太子像を刷り込んだ千円札の贋造・行使事件で,1961年12月に最初の1枚が秋田市で発見されてから,63年11月までに東北,関東,中部,近畿にわたって総計343枚が行使され,この種の事件としては史上最大の捜査が行われた。しかも,ついに犯人を発見,逮捕するにいたらなかったが,犯人が贋札づくりにかけた製造費や,各地で行使するために要した交通費などを考えると,経済的な利益はまったくなかったはずである。…

※「チ37号事件」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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