ツチカニムシ(読み)つちかにむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツチカニムシ」の意味・わかりやすい解説

ツチカニムシ
つちかにむし / 土蟹虫

節足動物門クモ形綱擬蠍(ぎけつ)目ツチカニムシ亜目Chthoniineaの陸生小動物の総称。体は小さく2.5ミリメートルを超えない原始的な動物群で、多くは大形の鋏角(きょうかく)と二眼をもつ。ツチカニムシ科の種類は、日本を含め全世界に分布。オウギツチカニムシAllochthonius opticus本州から琉球(りゅうきゅう)諸島まで、ムネトゲツチカニムシTyrannochthonius japonicusは東京以南、台湾まで、メクラツチカニムシMundochthonius japonicusは北海道から九州まで分布し、いずれの種も森林土壌に普通にすむ。また、無眼でこれらの近似種が、日本のほかヨーロッパやアメリカの洞穴から多数発見されている。

[森川国康]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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