森林土壌(読み)しんりんどじょう

改訂新版 世界大百科事典 「森林土壌」の意味・わかりやすい解説

森林土壌 (しんりんどじょう)

樹林地帯に分布する土壌をいう。森林土壌は森林を構成する樹木によって,毎年落葉枝の形で多量の有機物の供給をうけるが,その量は年間1ha当り数tから25t以上にも及ぶと推定されている。落葉枝は土壌中の小動物や微生物によって分解され腐植となるが,分解過程で生成した無機成分の一部や無機化した窒素はふたたび樹木の養分として吸収利用されるので,これらの分解過程は森林における物質循環を支配する重要な因子であるとともに,森林土壌の形成に重要な影響を与える。落葉枝の分解は炭素含有量に対する窒素含有量の比(炭素率)の大小で大きく影響され,その比が大きいと分解がすすみ,小さい場合には分解がおさえられる。また,落葉枝中のカルシウム含有量も土壌反応(pH)に影響を与え,その結果,有機物の分解速度を左右するとも考えられている。気候の乾湿寒暖は森林の形成,その種類ならびに森林土壌の特徴をも決定するほどの大きな影響力をもつ。日本の森林土壌のおもな種類は北海道のエゾマツ,トドマツ林下や本州高山地のハイマツ林下のポドゾル,ブナ林下の褐色森林土,シイ林下の黄褐色土,タブ林下の赤色土などである。このうち褐色森林土は日本の森林土壌の大部分を占め,乾湿の差により乾性褐色森林土,湿性褐色森林土などに細分されている。
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最新 地学事典 「森林土壌」の解説

しんりんどじょう
森林土壌

forest soils

森林下の土壌の総称。日本では気候帯が亜熱帯から亜寒帯まであり,その気候帯に対応して森林帯として亜熱帯性常緑広葉樹林から亜寒帯針葉樹林が分布している。この森林帯に対応して土壌帯が分布し,北海道北部の亜寒帯や本州中部の亜高山帯にはポドゾルが,東北地方のような落葉広葉樹林下および西日本に分布している常緑広葉樹林下には褐色森林土が,沖縄本島などの南西諸島の亜熱帯常緑広葉樹林下には赤黄色土が分布している。森林の水平分布に対応する土壌帯の変化過程を緯度的成帯性といい,森林の垂直分布に対応する土壌帯の変化過程を垂直成帯性という。

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参照項目:土壌成帯性

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