ツノカメノコウワムシ(読み)つのかめのこうわむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノカメノコウワムシ」の意味・わかりやすい解説

ツノカメノコウワムシ
つのかめのこうわむし / 角亀甲輪虫

袋形(たいけい)動物門輪毛虫綱単生殖巣上目ツボワムシ目カメノコウワムシ属のうち、古くKeratella quadrataとして扱われていた種の一群。現在では3種2型からなる。原型は体長150マイクロメートル。沼に春に出現し、ときとして冬にも現れるが、外国ではおもに温暖な水域生息する。トロピカK. tropica型は被甲中央後端部の模様が閉じ、さらに小板を備える。この型は夏に出現するが、外国では生息が未確認である。寒冷水域には後端部両側に小板をもたない別種ヒエマリスK. hiemalisが生息しているが、日本では春季に湖の中層に数個体が生息しているにすぎない。

[鈴木 實]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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