⑦は、「元型」とも書く。
…つまりゲーテは,自然哲学的な立場から生物体の形成と変成の学を形態学と呼んだ。こうした動的な考え方の一つの現れとして,ゲーテは独自の比較解剖学的観察に基づき,すべての植物および動物の〈原型〉の概念に到達することにもなった。ゲーテ流の形態学の気風は,比較によって多くの種類に通ずる一般性を求めようとする現代のポルトマンなどの比較形態学に受けつがれているといえる。…
… 進化論が現れる前には,動物の比較解剖学は一種の類型学として博物学のなかで重きをなしていたが,その時代にも器官の同一性の追究は中心的な問題であった。諸種の生物の構造の解明に基づいて〈体制〉の比較が行われ,そのうえ各生物群の一般的な〈原型achetype〉を観念的に追究する試みがしばしば行われた。1840年代になって,イギリスの比較解剖学者R.オーエンが相同と相似の概念を初めて区別したが,そのころの相同の概念は解剖学および発生学からみた同一性にすぎず,諸種の現存生物をつなぎ合わせ,現存生物と化石生物を結びつける合理的な説明原理は存在しなかった。…
…ユングによる分析心理学の用語。〈原型〉〈太古型〉などとも訳される。ユングは20世紀の初頭,精神分裂病者に対する心理療法的な接近を試み,分裂病者の幻覚や妄想の内容を,できるかぎり理解しようと努めた。…
※「原型」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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