デジタル大辞泉
「つのさわう」の意味・読み・例文・類語
つの‐さわう〔‐さはふ〕
[枕]語頭に「石」をもつ語にかかる。
「―石見の海の」〈万・一三五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
つの‐さわう ‥さはふ
枕 人名「
磐之媛(いはのひめ)」、
地名「
磐余(いはれ)」「
石見(いはみ)」など、語頭に「いは」をもつ語にかかる。語義・かかりかた未詳。つぬさわう。
※
書紀(720)仁徳三〇年一一月・
歌謡「菟怒瑳破赴
(ツノサハフ) 磐之媛が おほろかに 聞こさぬ 末桑の木 寄るましじき 川の隈々 寄ろほひ行くかも 末桑の木」
[
補注]これを受ける人名・地名は「いは」を共有しているので、「岩」の意を介して続くと思われる。「
万葉集」中の五つの例がすべて「角障経」という表記であるところから、(イ)「つの」は植物の芽、「さはふ」は「障
(さ)はふ」で、芽の伸びるのをさまたげる岩の意で係るとする説、(ロ)「つの」は岩角、「さは」は多で、角のごつごつした岩の意で係るとする説などがあり、他に、「つの」を「つな」「つた」と同源で、蔓性の植物とし、「さはふ」は「さは(多)・はふ(延)」の変化したものとして、蔦のからみついた岩の意で係るとする説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報