これを受ける人名・地名は「いは」を共有しているので、「岩」の意を介して続くと思われる。「万葉集」中の五つの例がすべて「角障経」という表記であるところから、( イ )「つの」は植物の芽、「さはふ」は「障(さ)はふ」で、芽の伸びるのをさまたげる岩の意で係るとする説、( ロ )「つの」は岩角、「さは」は多で、角のごつごつした岩の意で係るとする説などがあり、他に、「つの」を「つな」「つた」と同源で、蔓性の植物とし、「さはふ」は「さは(多)・はふ(延)」の変化したものとして、蔦のからみついた岩の意で係るとする説もある。