つの本(読み)つのぼん(その他表記)horn book

日本大百科全書(ニッポニカ) 「つの本」の意味・わかりやすい解説

つの本
つのぼん
horn book

イギリスでは15~18世紀に、またアメリカではこれより後の時代に、幼児向けにくふうされたごく簡単な読本の一種。しかし、本とは名ばかりで、羽子板状の板に、アルファベット、数字、「主の祈り」などの書かれた紙を貼(は)り付けたもので、上に牛の角(つの)でつくった薄い透明な膜をかぶせて保護をしたところからその名がある。行商人が売り歩いたこの本は、のような十字架の印で始まり、ときには最後も十字架で締めくくられ、「主の祈り」が入っていることも多かったので、「十字架本」crisscross-rowともよばれた。

[高野 彰]

『寿岳文章著『エディター叢書27 図説本の歴史』(1982・日本エディタースクール出版部)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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