知恵蔵 「テイラー・スウィフト」の解説
テイラー・スウィフト
祖母はオペラ歌手。幼少からカントリー音楽を好み、10代の頃から歌手を志して作詞、作曲に取り組む。学生時代はいじめに遭っていたといい、曲を書き始めたのは、「学校で話す相手がいなかったから。私にとってはセラピーだった」という。
14歳でカントリー音楽が盛んな米テネシー州・ナッシュビルに移り住み、06年、シングル「ティム・マックグロウ」でデビュー。同年、デビュー・アルバム「テイラー・スウィフト」をリリースし、全米カントリー・チャート1位を達成、全米で500万枚以上を売り上げた。08年に出した「フィアレス」はビルボードチャート(全米総合チャート)で11週連続にわたって1位となり、09年に同アルバムで日本デビューする。10年にリリースした「スピーク・ナウ」、12年の「レッド」で、2作連続での初週売上100万枚以上を達成。「レッド」に収録されているシングル「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない(We Are Never Ever Getting Back Together)」は、週間デジタル・セールスで女性アーティストとして世界最多売り上げを記録。日本では、12~14年に放送された男女の共同生活を追ったリアリティー番組「テラスハウス」の主題歌に起用されて話題となった。14年にはテイラーのカジュアルなボーダーやワンピース、赤い口紅などを好むスタイルをまねる「テイラー女子」が急増したとも言われている。
ジャンルとしてはカントリー音楽だが、ポピュラー音楽の要素も取り入れており、14年11月には初のポップアルバム「1989」をリリース、初週で128万7000枚を売り上げ、先行シングル「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」と共に全米チャート1位となった。同アルバムは世界で860万枚の売り上げを記録している。
15年10月、写真共有サービスのインスタグラムのフォロワー数が4960万人に達し、世界でトップとなったことが判明した。また、同年11月に米経済誌フォーブス誌が発表した「2015年に音楽界で最も稼いだ女性アーティスト」ランキングでは、推定年収8000万ドルで2位となっている。
女優としては、10年にゲイリー・マーシャル監督の「バレンタインデー」でデビュー。日本では15年9月に公開された映画「ギヴァー 記憶を注ぐ者」などに出演している。
(南 文枝 ライター/2015)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報