日本大百科全書(ニッポニカ) 「テングダニ」の意味・わかりやすい解説
テングダニ
てんぐだに / 天狗蜱
snout mites
節足動物門クモ綱ダニ目テングダニ科Bdellidaeのダニの総称。体の前端部が鋭くとがって伸長しているのでこの名がついた。この科の種類は、体長0.8~2.5ミリメートル、全体に赤色、鮮紅色、黄橙(こうとう)色などでよく目だつ。肩のあたりに2対の目をもつ。触肢はあたかも触角のようによく発達し、歩脚(ほきゃく)と同じくらいの長さがある。森林の落ち葉の間、植物体の上、海岸の干満線間の岩上、打ち上げられた海藻の下などにすみ、小虫などを捕食する。すばやく後ずさりする習性がある。日本にアカテングダニBdella muscorum、ヤマトテングダニBdella japonicaなど20種近くいる。
[青木淳一]