精選版 日本国語大辞典 「赤色」の意味・読み・例文・類語
あか‐いろ【赤色】
〘名〙
① 赤い色。緋(ひ)色、紅(べに・くれない)色、蘇芳(すおう)色・朱(しゅ)色等の総称。
② 中古の染色の名。黄櫨(はじ)の下染めに、茜(あかね)を灰汁媒染(あくばいせん)により混ぜた、黄色に赤みの加わった、一種の暗調を帯びた色。禁色の一つとして、臣下は使用することが許されなかった。赤白橡(あかしらつるばみ)。→赤色の袍(ほう)。
※源氏(1001‐14頃)乙女「帝はあかいろの御衣たてまつれり」
④ 襲(かさね)の色目の名。諸説がある。表赤、裏二藍(ふたあい)(物具装束鈔等)。表赤色、裏赤色(装束雑事抄等)。表赤色、裏薄色(満佐須計装束抄等)。表蘇芳、裏紫(有職故実辞典等)。表蘇芳、裏赤白橡(装束抄等)。表蘇芳、裏縹(はなだ)(狩衣至要抄等)。表蘇芳、裏濃縹(雁衣抄等)。
※枕(10C終)二八二「狩衣(かりぎぬ)は 香染の薄き。白き。ふくさ。あかいろ。松の葉色。青葉」
⑥ 中古の②以外の赤色系統の袍、下襲(したがさね)、狩衣、法衣などの色。また、その衣服。
せき‐しょく【赤色】
〘名〙
① 赤い色。赤。あかいろ。しゃくじき。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)四立「諸国修行者が、大悟一貫の眼を遮り、夕陽に一つの赤色靉靆なすは心得ぬ」
② (赤旗を用いるところから) 社会主義、共産主義をいう。赤。〔モダン用語辞典(1930)〕
しゃく‐じき【赤色】
〘名〙 (「しゃく」「じき」はそれぞれ「赤」「色」の呉音) 赤いいろ。あかいろ。せきしょく。
※貞享版沙石集(1283)八「愛染の法に付て、敬愛の秘法を習ふ。彼相応物を赤色(シャクジキ)に染むるに、つやつや赤根の色つかず」
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