精選版 日本国語大辞典 「とけしない」の意味・読み・例文・類語
とけし‐な・い
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]とけしな・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「とげしない」とも ) もどかしい。待ちどおしい。じれったい。- [初出の実例]「たとへば、馬が貧して百(かん)の中に一豆に逢たやうなぞ。とけしないぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)九)
とけしないの語誌
( 1 )語構成は、動詞「とける(解)」の連用形の名詞化+強意の助詞「し」+形容詞「無い」とみられる。この場合の動詞「とける」は、心がうち解けてゆったりとするという意と考えられ、多く「心とく」の形でその意に用いられて来たが、「心」を伴わなくても、例えばトケドケ(ト)の形で、うち解けてゆったりとしているさまを表わす。
( 2 )第二音節が濁音化したトゲシナイの語形は、語頭二文字を、物事を成就させるという意の動詞「とげる(遂)」の連用形と解して生じたものかとも考えられる。
とけしないの派生語
とけしな‐さ- 〘 名詞 〙