派生語(読み)ハセイゴ

デジタル大辞泉 「派生語」の意味・読み・例文・類語

はせい‐ご【派生語】

本来独立した一つの単語であったものに、接辞などが付いたり語形変化したりして、別の一語となったもの。接頭語が付いた「お宮」「ご親切」「真っ暗」、接尾語が付いた「ぼくたち」「みなさん」「寒がる」などの類。
[補説]「おび(帯)」「すもう」「遠く」などのように、用言連用形から名詞に転成したり、「つゆ」などのように名詞から副詞に転成したりする場合も派生語に含めることがある。

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精選版 日本国語大辞典 「派生語」の意味・読み・例文・類語

はせい‐ご【派生語】

  1. 〘 名詞 〙 ある語形を基として、語形に変化が加わったり、接辞が付いたりすることによって、別の一語となったもの。「見る」からの「見える・めす・みそなわす」、「とる」からの「とらえる・とらわれる」、「姫」からの「姫御前・お姫さま」など。また、品詞が転成する場合もこれに含めることがある。「決する」からの「決して」、名詞「二度(ふたたび)」からの副詞「再び」など。分出語、由生語ともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「派生語」の意味・わかりやすい解説

派生語
はせいご

接辞を添加することによって形成された語。既存の語を二つ(以上)結合することによってつくられる複合語とともに、合成語の下位区分をなす。派生語と複合語は、本来共通の性格をもっているので、厳密には区別できない場合がある。たとえば、「母屋(おもや)」「一軒屋」の「屋」、助数詞として用いられたときの「箱」「本」「皿」などについては、既存の語と認めるべきか、接辞と認めるべきか、意見の分かれるところである。接辞が添加される要素(語基)には2種類あり、(1)それ自体が独立して用いられるもの(非生産的、子供たち)、(2)それ自体が独立して用いられることのないもの(おとうさん、八百屋)がある。英語にも同様の区別があり、(1)enlarge, active、(2)conceive, deceiveのような例がある。(1)を二次派生語、(2)を一次派生語とよび、狭義の派生語は(1)のみをさす。語基と派生語との間の品詞の変化については、「接尾語」の項を参照されたい。

[杉浦茂夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「派生語」の意味・わかりやすい解説

派生語
はせいご
derivative

自立語に音も意味もよく似た語基に (派生) 接辞が接合してできている単語。「オ-すし」「ぼく-タチ」「見-サセ-る」,quick-lyなどがその例。派生は語形替変に比べて,各単語ごとの特性が強く,不規則な点が多いこと,品詞を変えることがある (quickと quick-ly) ことが目立つ。また日本語では一般に活用接辞 (る) のほうが派生接辞 (-サセ-) の外側につき,かつ「見る」とその派生語「見サセる」は同じ活用をする。

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百科事典マイペディア 「派生語」の意味・わかりやすい解説

派生語【はせいご】

ある語から派生して形成された語。意味を変化させる場合と品詞を変える場合とがある。語の内部の音韻交替によるもの(speak→speech),接辞の添加によるもの(あたらしい→まあたらしい)がある。
→関連項目複合語

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改訂新版 世界大百科事典 「派生語」の意味・わかりやすい解説

派生語 (はせいご)

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世界大百科事典(旧版)内の派生語の言及

【語形成】より

…英語fresh‐ness,nois‐yも,‐ness(名詞を作る),‐y(形容詞を作る)という接尾辞を付して派生されている。英語progressは,もとラテン語pro‐(〈前ヘ〉)+gress(〈行くこと〉)からであるが,今日では派生語と見ず1語と見るべきであろう。それに対してpro‐American(〈親米の〉)においては,pro‐が今日なお造語力をもつ接頭辞であるため,派生語である。…

【接頭語】より

…接頭語をつけると,もとの単語は独立性を失い,連声(れんじよう)が行われることもあり,アクセントが変わることが多い。結合してできた語形,派生語は,まったく1個の単語として働き,その品詞性はもとの単語に従う。接頭語には,カ細(ぼそ)い,ヒ弱い(カタカナで示される部分が接頭語。…

【接尾語】より

…それ自身は単独で用いられず,常に他の単語(または単語の中心的意味を負う部分)の後に結合して,いろいろの意味を添える。接尾語の結合した語形を,単語と単語の結合である複合語に対して派生語とよぶ。派生語はアクセントでも文構成上の資格でも,まったく1個の単語と同じ働きをし,その品詞性は接尾語が決定する。…

※「派生語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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