トニュクク(読み)トニュクク(その他表記)Tonyuquq

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トニュクク」の意味・わかりやすい解説

トニュクク(暾欲谷)
トニュクク
Tonyuquq

突厥重臣。7世紀後半から8世紀初め頃活躍。イルテリシュ・カガン (骨咄禄可汗) の挙兵征討に対して功をあげ,ボイラ・バガ・タルカンの号を得た。以後黙啜可汗 (もくてつかがん) ,ビルゲ・カガン (毗伽可汗)両カガンに仕えて重用された。その紀功碑がトラ川上流に建てられている。イルテリシュ・カガンの重臣である阿史徳元珍と同一人物ともいわれる。

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世界大百科事典(旧版)内のトニュククの言及

【突厥】より

…頡跌利施可汗の弟,黙啜(カプガンQapghan)可汗時代に,東は契丹,北はキルギス,西はビシュバリクのバスミルおよびイルティシュ川方面のトゥルギシュを討ち,さらに頡跌利施可汗の子ビルゲ・ハガンが直系を復活して弟の闕特勤(キョル・テギンKöl Tegin。685‐731)とともに,父の代からの功臣トニユククTonyuquq(阿史徳元珍)の助言を得ながら遊牧騎馬国家の復興を成し遂げた。彼らの功績は突厥碑文に残されている。…

【ビルゲ・ハガン】より

…復興突厥の国力充実をはかる一方,一時はソグディアナにまで軍を送りその勢いを示した。また妻の父でイルティリシュ可汗の重臣だったトニユククTonyuquqを重用した。唐の玄宗皇帝と父子関係を結び,公主の降嫁を望んだほか,城壁築造,仏寺・道観の建立などを一時企てたほど中国農耕社会・文化に関心をよせた。…

※「トニュクク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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