日本大百科全書(ニッポニカ) 「トビイロカゲロウ」の意味・わかりやすい解説
トビイロカゲロウ
とびいろかげろう / 鳶色蜉蝣
昆虫綱カゲロウ目トビイロカゲロウ科Leptophlebiidaeの昆虫の総称。前翅(ぜんし)の中脈は明らかに分岐し、後翅の中脈と肘脈(ちゅうみゃく)の間には遊離した間脈をもたない。幼虫のえらは七対で羽毛状になることはなく、複眼は頭部の側方につき、3本の尾のうち外方の2本には内外両側に細毛を列生する。日本産のものは5種以上がいるとみられているが、幼虫の知られているものはナミトビイロカゲロウParaleptophlebia chocorataとトゲトビイロカゲロウP. spinosaの2種だけである。両種とも本州中部の山地渓流に普通で、前者は平地の流れにもいる。
[山崎柄根]