日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリプシノゲン」の意味・わかりやすい解説 トリプシノゲンとりぷしのげんtrypsinogen タンパク質分解酵素トリプシンの前駆体。膵臓(すいぞう)で生合成され、膵液に含まれて十二指腸へ分泌される。十二指腸の粘膜に存在するタンパク質分解酵素エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)によって、アミノ末端から六番目のリジンと七番目のイソロイシンの間のペプチド結合が特異的に切断されて活性化し、トリプシンとなる。この活性化はトリプシンによる自己触媒反応によってもおこる。ウシのトリプシノゲンは分子量2万4000。[降旗千恵] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例