粘膜(読み)ネンマク

デジタル大辞泉 「粘膜」の意味・読み・例文・類語

ねん‐まく【粘膜】

消化管呼吸器排出器生殖器などの内壁の、常に粘液で湿っている組織
[類語]横隔膜角膜胸膜結膜骨膜鼓膜髄膜脳膜弁膜腹膜網膜肋膜

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共同通信ニュース用語解説 「粘膜」の解説

粘膜

ヒトの体の中にある、消化器呼吸こきゅう器など、さまざまな器官の内側をおおっているまく表面がやわらかく、体から出た粘液ねんえきでうるおっているため「粘膜ねんまく」という。

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精選版 日本国語大辞典 「粘膜」の意味・読み・例文・類語

ねん‐まく【粘膜】

  1. 〘 名詞 〙 脊椎動物の体内上皮のうち、消化管・気道・生殖器官などの内壁を覆う上皮。粘液を分泌する。
    1. [初出の実例]「粘膜者、周鼻内、悉及骨空」(出典:解体新書(1774)二)

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改訂新版 世界大百科事典 「粘膜」の意味・わかりやすい解説

粘膜 (ねんまく)
mucous membrane

脊椎動物の消化系,呼吸系,排出系,生殖系などの管や腔所の内面をおおう,柔軟で,じょうぶな膜のことで,その表面が粘液(杯細胞や粘液腺が分泌する)によって潤っているので粘膜といわれる。粘膜は,表面(腔所に面する側)から上皮組織粘膜固有層粘膜筋板粘膜下組織の順にできている(以下,ヒトの粘膜について述べる)。粘膜上皮は主として吸収または分泌の機能を営むが,その形態は臓器種類によってさまざまで,例えば,食道では重層扁平上皮,胃や腸では単層円柱上皮,気管では多列繊毛上皮,尿管や膀胱では移行上皮などとなっている。通常は角質化しないが,食道や腟の粘膜は,角質化と粘膜化が可逆的に起こり,ことにビタミンAの欠乏により角質化する。粘膜固有層は疎性結合組織で,繊維芽細胞のほか,リンパ球,形質細胞,好酸性白血球,肥満細胞などの結合組織細胞が豊富に存在する。また,血管やリンパ管,神経なども多い。消化管では粘膜固有層の下に粘膜筋板と呼ばれる平滑筋のうすい層があり,粘膜の微妙な運動に関与している。他の臓器では粘膜筋板ははっきりしない。粘膜筋板の下にはさらに粘膜下組織というまばらな結合組織があり,やや太い血管やリンパ管,神経などが分布している。粘膜下組織の下,つまり粘膜の下には,平滑筋からなる筋層がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「粘膜」の意味・わかりやすい解説

粘膜
ねんまく

動物の各種器官の内壁表面のうち、粘液によって湿潤に保たれている部分をいう。粘膜は、粘膜上皮と、それに続く粘膜下結合組織からなる。粘液は、上皮細胞間にある杯(はい)状細胞や、多細胞性の粘液腺(せん)から分泌される。その成分は生物によっても異なるが、糖タンパク質、糖類、無機塩類などが主要なものである。粘膜は消化器官、呼吸器官、生殖器官、排出器官などにみられ、内壁表面の乾燥を防いだり保護するばかりでなく、吸収または分泌機能をもつものもある。一般に粘膜は皮膚の表皮のように角質化することはない。

[高橋純夫]

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百科事典マイペディア 「粘膜」の意味・わかりやすい解説

粘膜【ねんまく】

脊椎動物の内臓器官の内壁をおおう膜。柔軟であるが強く,表面は粘液などの分泌液でうるおされる。最表層は粘膜上皮でその形状は器官によって異なり,分泌,吸収,塵埃(じんあい)の除去,表面の保護などの働きを営む。上皮の下には粘膜固有層,粘膜下組織という結合組織の2層があり,消化管の大部分では両層の間に粘膜筋板という平滑筋の薄層があって,自動的運動を可能にする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粘膜」の意味・わかりやすい解説

粘膜
ねんまく
mucous membrane

外界とつながっている中空性器官の内面をおおう膜。粘液の分泌によって常に表面が湿潤に保たれているために粘膜と呼ばれる。普通,粘膜上皮層とその下の粘膜固有層の2層からできているが,さらに粘膜筋板,粘膜下組織の認められるものもある。上皮の種類は臓器により異なる。

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栄養・生化学辞典 「粘膜」の解説

粘膜

 上皮のうち,常に湿潤な状態にあるもの.結膜や消化管内腔の上皮など.

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