日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナーラーヤナン」の意味・わかりやすい解説
ナーラーヤナン
なーらーやなん
Kocheril Raman Narayanan
(1920―2005)
インドの政治家。現在のケララ州に生まれた。「指定カースト」とよばれる最下層階級の出身。トラバンコール大学卒業ののちイギリスに留学。ロンドン大学でハロルド・ラスキの教えを受ける。ジャーナリスト、外交官、ネルー大学副学長などを歴任。外交官としてビルマ(ミャンマー)赴任中に知り合ったビルマ人と結婚。ほかにベトナム、日本、タイ、トルコ、中国、アメリカなどに赴任。1984年に会議派から連邦下院議員に当選して政界入りし連続3期当選。1984~1989年のラジブ・ガンディー内閣でいくつかの閣僚を歴任。1992年から1997年まで副大統領。1997年に各会派から一致して推され、独立インドの10人目の大統領となり、2002年まで務めた。指定カースト出身者では初の大統領であった。
[山口博一]