百科事典マイペディア 「指定カースト」の意味・わかりやすい解説
指定カースト【していカースト】
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インドの被差別民(不可触民)の行政上の範疇。憲法にもとづき当範疇に該当するカーストが州ごとにリスト化されている。この呼称は1935年のインド統治法に始まる。50年施行のインド憲法は,指定カーストに対してインド国民としての平等の権利を保障し,同時に優遇措置を講じるべきことを定めた。公的雇用,教育,議席についての留保および奨学金や補助金における優先が実施されている。91年の指定カーストの人口は1億3822万(総人口の16.48%)。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…このことは普通選挙制が実現した独立後の時期にはさらに重要となった。 ネルー時代の国民会議派の選挙における確固とした支持基盤は,彼自身の出身カーストであり知識階層の多くの人々のそれでもあるバラモン,分割後もインドに取り残されて社会的に不安定な立場にあるムスリム,ヒンドゥー社会の底辺を形づくる指定カースト(不可触民)の三つであったといわれる。この3者だけで全人口の30%をこえると推定される。…
…これに対しシュードラは入門式を挙げることのできない一生族(エーカジャekaja)とされ,再生族から宗教上,社会上,経済上のさまざまな差別を受けた。そして,シュードラのさらに下には,4バルナの枠組みの外におかれた不可触民(今日では指定カーストscheduled casteと呼ばれる)が存在した。彼らは〈第5のバルナに属する者(パンチャマpañcama)〉とも〈バルナを持たない者〉とも呼ばれる。…
…欧米ではパリアpariahの名でも知られる。今日では〈不可触民〉を意味する差別用語は使われず,公式に指定カーストscheduled casteと称される。 浄・不浄の思想に強く支配され,人間や職業をそうした観点から眺めることをつねとしたヒンドゥー教の社会において,賤民制は複雑な発達をとげた。…
※「指定カースト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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