ニンフェンブルク宮殿(読み)ニンフェンブルクきゅうでん(その他表記)Schloss Nymphenburg

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンフェンブルク宮殿」の意味・わかりやすい解説

ニンフェンブルク宮殿
ニンフェンブルクきゅうでん
Schloss Nymphenburg

ミュンヘンにあるドイツ・バロックの代表的な宮殿。バイエルン選帝侯フェルディナンド・マリアの夏の宮殿として建てられた。設計にはイタリア人建築家の A.バレリがあたり,1664年着工,現在の宮殿の中央部を造った。マックス・エマヌエル侯の時代には4つのパビリオンが宮殿左右につけ加えられ,全体にロココ的なイメージと,優雅な趣が加わった。また新たに J.エッフナーが起用され,建物と庭の計画を行い,パゴデンブルク (1716~19) やバーデンブルク (18~21) などの庭園建築を設計。さらに J.キュビイエによって園内に,ドイツ・ロココの珠玉とされるアマリエンブルク (34~39) が建てられた。宮殿の背後に広がる広大な宮苑は整形式で計画されたが,19世紀にマクシミリアン・ヨーゼフ侯が,F.スケルを起用し風景式庭園への手直しを行なったので,今日ではその印象が強い。

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