ぬくぬく

精選版 日本国語大辞典 「ぬくぬく」の意味・読み・例文・類語

ぬく‐ぬく

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 寒い中にあって、その身だけあたたかいさま、また、気持よくあたたかいさまを表わす語。
四河入海(17C前)一四「ぬくぬくやわやわとした処ぞ」
足袋の底(1913)〈徳田秋声〉一「体のぬくぬく温まって来るのが感ぜられた」
周囲をはばからず、ずうずうしいさま、また、身勝手なさまを表わす語。ぬけぬけ。
浮世草子日本新永代蔵(1713)三「内にぬくぬくとして、のちにのちにと一日を暮し」
浄瑠璃・心中天の網島(1720)中「此の孫右衛門をぬくぬくとだまし」
③ 労することなく、自分だけうまいことをするさまを表わす語。うまうま。
歌舞伎傾城壬生大念仏(1702)上「両人を殺させて、後では二箇国共に、ぬくぬくと奪らふとは」
[2] 〘名〙 (形動) でき上がって間もないことやもの。また、そのさま。できたてのほやほや。
※歌舞伎・卅三年忌袂白絞(1740)二つ目「側に草履一足、たった今ぬくぬくを見て来たのじゃわいのふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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