…日本における漢籍注釈史などの資料としてだけでなく,口述を片仮名と漢字を交えて書いたもの(仮名抄)が多く,国語史の資料としても貴重である。桃源瑞仙《史記抄》,笑雲清三《四河入海》(蘇軾(そしよく)の詩の注解),《古文真宝抄》(三体詩の注解)をはじめ,《臨済録抄》《毛詩抄》《論語抄》などのほか,《日本書紀》〈御成敗式目〉のような国書を注解したものもある。これらの抄物は室町中期から末期にかけて最も盛んに作られ,作者としては前記のほか吉田兼俱,清原宣賢(のぶかた),惟高妙安らがおり,学僧だけでなく博士家や公卿たちも含まれる。…
※「四河入海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」