はくちょう座A(読み)はくちょうざエー(英語表記)Cygnus A

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「はくちょう座A」の意味・わかりやすい解説

はくちょう座A
はくちょうざエー
Cygnus A

電波天体第1号。1948年に広がった銀河電波天の川からの電波)とは別種電波源として,イギリスのジェームズ・ヘイとその同僚たち,およびオーストラリアのジョン・ボルトンと G.スタンレーの研究の結果発見され,1952年にパロマ山天文台の 200インチ望遠鏡でウォルター・バーデやルドルフ・ミンコフスキーにより特殊な銀河と確認された。北天で最も強力な電波源の一つであるが,地球からの距離は約 5億5000万光年と遠く,したがって見かけの光度は 15等と非常に暗い。はくちょう座Aの中心には複雑な形の銀河があり,それを中心として対称な位置に二つの強い電波源がある。以前は互いに衝突している二つの銀河と考えられたが,放出される電波エネルギーは太陽から放出される全エネルギーの 1011倍以上で,この考えでは説明できない。現在は銀河の中心核の爆発で放出された高エネルギー粒子の二つの雲が強力な電波を放射していると考えられている。(→電波天文学

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android