白鳥座(読み)ハクチョウザ(その他表記)Cygnus

翻訳|Cygnus

デジタル大辞泉 「白鳥座」の意味・読み・例文・類語

はくちょう‐ざ〔ハクテウ‐〕【白鳥座】

北天の大星座。9月下旬の午後8時ごろ南中し、天頂付近に見える。天の川の中に、αアルファデネブβベータアルビレオなど明るい5個の星が十字形をつくり、また北アメリカ星雲網状星雲ブラックホールなどを含む。北十字星学名ラテン〉Cygnus

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精選版 日本国語大辞典 「白鳥座」の意味・読み・例文・類語

はくちょう‐ざハクテウ‥【白鳥座】

  1. 夏の北天の星座。銀河の中にある大星座で、北アメリカ星雲・ペリカン星雲石炭袋と呼ばれる暗黒星雲がこの星座内にみられる。アルファ星はデネブ。名称ギリシア神話ゼウスレダもとへ通うとき化身した姿に由来する。白鳥。《 季語・秋 》

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改訂新版 世界大百科事典 「白鳥座」の意味・わかりやすい解説

はくちょう(白鳥)座 (はくちょうざ)
Cygnus

略号はCyg。天の川に位置する北天の大星座。天の川にそってつづくα,γ,η,βの星列と,これと直角に交わるε,γ,δの星列とは大きな十字形を描き,翼を広げた白鳥の姿を描く。ギリシア神話のスパルタ王テュンダレオスの妃レダのもとに通う主神ゼウスの化身の白鳥の姿にちなむ。南天の南十字Southern Crossに対し北十字Northern Crossと呼ぶこともある。

 α星デネブは光度1.3等,スペクトル型A2の超巨星,β星アルビレオは光度3.1等,角距離34.″6,青とオレンジの色の対比の美しい二重星である。γ星は光度2.2等,角距離141.″2の二重星である。δ星は光度2.9等,周期321年の実視連星であり,61番星は光度5等で,軌道周期約750年(角距離24.″6)の実視連星である。1838年にF.W.ベッセルにより最初に年周視差が測定され,その結果から地球からの距離10.3光年が算出された。ちなみに現在認められている値は11.1光年である。しかもこの軌道運動から周期4.8年のふらつきが検出され,ストランドKaj Aage Strand(1907-2000)により,太陽質量の0.008倍の暗黒伴星の存在が実証された。はくちょう座は天の川の天域にあるので,多くの星雲物質が散在している。α星デネブの近くの北アメリカ星雲ペリカン星雲はその名のような珍奇な形をしたガス塊で,γ星にちかい網状星雲はきれぎれに広がった円弧であり,過去における超新星爆発の残骸で,現在でも強力な電波を発射している。電波以外にX線を出す天体としてはCygX-1は周期5.6日,CygX-2は11.2日,CygX-3は16.9日のX線連星で,とくにCygX-1は青色星HDE226868と結びついたブラックホールのつくる連星系として有名である。1975年8月にα星デネブの近くに出現した新星V1500は極大光度1.6等に達し多くの人に注目された。概略位置は赤経20h30m,赤緯+43°,午後8時の南中は9月下旬である。
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百科事典マイペディア 「白鳥座」の意味・わかりやすい解説

はくちょう(白鳥)座【はくちょうざ】

9月下旬の夕方,天頂近くに見える十字形の星座。北十字(ノーザンクロス)ともいう。銀河面にあり,α星デネブ,β星アルビレオ,実視連星のはくちょう座61番星,北アメリカ星雲,ペリカン星雲,網状星雲などを含む。ギリシア神話でレダのもとに通うゼウスの化身を象徴。

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