翻訳|Cygnus
略号はCyg。天の川に位置する北天の大星座。天の川にそってつづくα,γ,η,βの星列と,これと直角に交わるε,γ,δの星列とは大きな十字形を描き,翼を広げた白鳥の姿を描く。ギリシア神話のスパルタ王テュンダレオスの妃レダのもとに通う主神ゼウスの化身の白鳥の姿にちなむ。南天の南十字Southern Crossに対し北十字Northern Crossと呼ぶこともある。
α星デネブは光度1.3等,スペクトル型A2の超巨星,β星アルビレオは光度3.1等,角距離34.″6,青とオレンジの色の対比の美しい二重星である。γ星は光度2.2等,角距離141.″2の二重星である。δ星は光度2.9等,周期321年の実視連星であり,61番星は光度5等で,軌道周期約750年(角距離24.″6)の実視連星である。1838年にF.W.ベッセルにより最初に年周視差が測定され,その結果から地球からの距離10.3光年が算出された。ちなみに現在認められている値は11.1光年である。しかもこの軌道運動から周期4.8年のふらつきが検出され,ストランドKaj Aage Strand(1907-2000)により,太陽質量の0.008倍の暗黒伴星の存在が実証された。はくちょう座は天の川の天域にあるので,多くの星雲物質が散在している。α星デネブの近くの北アメリカ星雲,ペリカン星雲はその名のような珍奇な形をしたガス塊で,γ星にちかい網状星雲はきれぎれに広がった円弧であり,過去における超新星爆発の残骸で,現在でも強力な電波を発射している。電波以外にX線を出す天体としてはCygX-1は周期5.6日,CygX-2は11.2日,CygX-3は16.9日のX線連星で,とくにCygX-1は青色星HDE226868と結びついたブラックホールのつくる連星系として有名である。1975年8月にα星デネブの近くに出現した新星V1500は極大光度1.6等に達し多くの人に注目された。概略位置は赤経20h30m,赤緯+43°,午後8時の南中は9月下旬である。
執筆者:石田 五郎
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