日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハコガメ」の意味・わかりやすい解説
ハコガメ
はこがめ
box turtle
爬虫(はちゅう)綱カメ目ヌマガメ科のカメで、腹甲の中央部が蝶番(ちょうつがい)状に連結したものの総称。ハコガメには、分類上の系統とは関係がないグループが含まれ、アジア南部に5属9種、北アメリカに2属5種が分布する。腹甲は、胸甲板と腹甲板とがヒンジhingeとよばれる蝶番で可動的に連結しており、頭頸(とうけい)部、四肢、尾部を甲内に引っ込めたあと、腹甲の前・後半部を持ち上げて、甲のすきまをぴったりと蓋(ふた)する。八重山列島(やえやまれっとう)などに分布するセマルハコガメCistoclemmys flavomarginataは甲長約17センチメートル、陸生で森林周辺の湿った場所に生息するが、東南アジア産のアジアハコガメ属Cuoraは水陸両生。背甲が丸いアメリカハコガメ属Terrapeneは森林性で、果実や昆虫など雑食性である。
[松井孝爾]