日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハシナガソデガイ」の意味・わかりやすい解説
ハシナガソデガイ
はしながそでがい / 嘴長袖貝
spindle beak shell
[学] Tibia fusus
軟体動物門腹足綱スイショウガイ科の巻き貝。台湾からインドシナ半島に分布し、水深10~30メートルの細砂底にすむ。殻長20センチメートル、殻径3.5センチメートルに達し、殻は細長く、螺層(らそう)は18階に及び、上方の螺層では縦肋(じゅうろく)と細い螺条とが交差して布目となるが、下方では殻底のほかは平滑。殻口は白く、外唇には5本の指状突起がある。また、殻口の上端の突起は背側へ強く曲がる。水管溝は細くまっすぐに長く伸び、先が細まって針状をしている。美しい貝で、収集家に好まれる貝の一つである。
[奥谷喬司]