ハナダイ(読み)はなだい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハナダイ」の意味・わかりやすい解説

ハナダイ
はなだい / 鼻鯛
花鯛

(1)タイ類またはそれに似た魚類の混称。前額部または吻(ふん)部がやや隆起する魚に与えられた名で、東京地方や千葉県地方などではチダイ、神奈川県ではチダイやキダイレンコダイ)のこと。熊本県でキダイをハナフリダイ(鼻振鯛)、長崎県でハナオレダイ(鼻折鯛)とよぶのも同じ趣向である。

(2)ミナミハナダイ属、イズハナダイ属、ヒメハナダイ属、ナガハナダイ属、スミツキハナダイ属、アカイサキ属、イッテンサクラダイ属、サクラダイ属など多くの属を含むハタ科ハナダイ亜科の仲間の総称。いずれも小形で、体形はタイ型かそれより細長い背びれに10本の棘(とげ)があり、多くの種は各ひれの鰭条(きじょう)先端が糸状に伸長する。雌から雄に性転換する雌性先熟型の種が、知られている。体色や斑紋に雌雄差があり、いずれの種も鮮紅色、黄赤色を基本にして美しい。水族館で展示される種が多い。

落合 明・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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