ハリサシカビ(読み)ハリサシカビ(その他表記)Syncephalis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリサシカビ」の意味・わかりやすい解説

ハリサシカビ(針刺黴)
ハリサシカビ
Syncephalis

菌類ケカビ目エダカビ科。他のケカビ目の菌類,ケカビ,カラクサケカビ,マキエダケカビなどの上に寄生する。 20種以上が知られている。この菌はきわめて細い菌糸で,宿主の菌糸の上にからみついているが,成熟すると胞子嚢柄が立上がる。これは頭部と柄部とから成り,あたかも柄のついた針刺のような形で,その頭部に針を立てたように細い菌糸が立上がりこれが胞子嚢となる。ただし,この胞子嚢は,1列に数個の胞子が並んで生じ,完成すると胞子嚢自体が寸断して胞子が散布される,分生胞子嚢という特殊な形態のものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android