動物や植物が寄生して生活する相手の生物。「やどぬし」または「寄主(きしゅ)」ともいう。寄生生物の多くは生きている生物を宿主とする(活物寄生)が、なかにはシイタケやギンリョウソウのように、生物の死体や排出物などを宿主とするもの(死物寄生)もある。
寄生生物には特定の宿主にしか寄生しないものもあり、また多くの寄生虫のように、その発育段階に応じて多種類の宿主を必要とするものもある。この場合、幼生が寄生する宿主を中間宿主、成体が寄生する宿主を最終宿主または終宿主という。マラリア病原虫はヒトを中間宿主とし、カを終宿主とする。
寄生植物には、ヤドリギのようにナラなどを宿主とし、自身で光合成を行うほかに宿主からも栄養を得ているもの(半寄生)や、ナンバンギセルのようにショウガなどの根を宿主とし、宿主にすべての栄養を依存しているもの(全寄生)がある。
[近藤高貴]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…生物の相互関係のうち片害作用の一つ。他種の生物の身体にすみつき相手を殺さずに栄養として利用することというのが普通の定義で,寄生するものを寄生者parasite,寄生されるものを宿主または寄主hostと呼ぶ。しかし植物食の動物はこの定義にあてはまっても寄生しているとはいわない。…
…ある生物が他の生物の体表または体内で,一時的または持続的にその生命現象を営む場合,前者を寄生体,後者を宿主と呼ぶ。寄生体のうち,寄生虫と呼ばれるものには,単細胞性の原生動物(原虫)と多細胞性の後生動物がある。…
※「宿主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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