知恵蔵 の解説 バイオマス・ニッポン総合戦略 2002年12月に閣議決定された、循環型社会を目指すための長期戦略で、畜産や食品の廃棄物、木材や藁(わら)、資源作物などの有機物(バイオマス)からエネルギーやバイオプラスチックを生産することで、温室効果ガスの排出削減、代替エネルギー生産、新産業分野の開発、農村地域の振興を目指す。05年2月16日の京都議定書発効を受けて06年3月に見直しが行われ、同年8月にはバイオマスタウン構想の募集が始まった。07年9月27日現在で102の市町村が構想策定済みとして発表されている。目標は10年に300地区。バイオマスは長期的に見てCO2の増減に関与しない(カーボン・ニュートラル)ので、地球温暖化対策として注目されている。原油高を背景に、ガソリン代替手段としてバイオマスエタノールの生産が米国や南米諸国で盛ん。日本では、30年ごろまでに600万キロリットルの国産バイオ燃料の生産体制構築に向けた取り組みを実施しているほか、政府の動きとは別にBDF(bio diesel fuel : 植物起源のディーゼル)の普及を目指す菜の花プロジェクトが拡大している。エネルギー効率の向上や廃棄物系バイオマスの収集体制、エタノールやBDFの給油施設整備が課題。 (池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
農林水産関係用語集 の解説 バイオマス・ニッポン総合戦略 地球温暖化防止、循環型社会の形成等の観点からバイオマスの総合的な利活用の推進に向けて、持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」を早期実現するため14年12月に閣議決定された戦略。その後、それまでの対策・施策の進捗状況等を踏まえ、18年3月に見直しが行われた。 新たな総合戦略では、バイオマス由来燃料の利用の促進、未利用バイオマスの活用等によるバイオマスタウン構築の加速化、アジア諸国等海外との連携等を図るとされている。 出典 農林水産省農林水産関係用語集について 情報