改訂新版 世界大百科事典 「バルクーク」の意味・わかりやすい解説
バルクーク
Barqūq
生没年:1336-99
ブルジー・マムルーク朝の創始者。チェルケス系。在位1382-89,90-99年。バフリー・マムルーク朝の軍司令官であったが,バフリー系軍人の弱体化に乗じ,1382年ハーッジー2世にかわりスルタン位につく。カフカス出身のチェルケス系マムルークを優先したためトルコ系軍団の反乱を招き,一時追放されるが,トルコ系軍団の内部分裂に乗じて挙兵し,再度スルタンに復位する。エジプト・シリアのアラブ遊牧部族の反乱を鎮圧,トルコ系の政敵を倒し,ティムールの西進を食い止めて一時バグダードを奪回する。北方のトルクメン族とオスマン・トルコとは対ティムール同盟を結んだ。宗教心厚く寛大で忠実な部下に恵まれた。
→マムルーク朝
執筆者:飯森 嘉助
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報