オスマン(読み)おすまん(英語表記)George-Eugène Haussmann

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オスマン」の意味・わかりやすい解説

オスマン
おすまん
George-Eugène Haussmann
(1809―1891)

フランスの政治家。パリ生まれ。七月革命後に官界に入り、1848年末の大統領選挙ではルイ・ナポレオンのために活躍。この功績によってバール、ヨンヌ、ジロンドの各県知事歴任、1853年にはセーヌ県知事に任命され、17年間この地位にとどまった。この間の彼の最大の仕事は、人口急増に由来する極度の不衛生、絶えざる暴動バリケードの都パリの大改造であった。リボリ通り、セバストポル、サン・ジェルマン大通りなどの道路網、上下水道の整備、多数の公園などは彼の手に成るものである。近代都市パリは彼の作品であった。しかし、これらの事業の費用調達のために彼がとった方策は巨額の財政赤字をもたらしたために、非難の的になり、1869年に知事を解任された。

[阪上 孝]

『河野健二編『フランス・ブルジョア社会の成立』(1977・岩波書店)』


オスマン(1世)
おすまん
Osman Ⅰ
(1258/59―1326)

オスマン帝国の創建者(在位1299~1326)。オスマンの首長エルトゥルル・ベイの子。古文献ではオスマン・ガーズィとよばれた。アナトリア(小アジア)北西部を流れるサカルヤ川の支流カラスー渓谷に臨むソユトの地に生まれる。人物や経歴については伝説的要素が多い。父の後を継いで族長となり、ウジ・ベイ(辺境騎馬武装集団の指導者)として隣接するビザンティン領を攻略し、しだいに地域と人口を拡大、1299年イェニ・シェヒールに本拠を移して建国事業に着手した。重要都市ブルサ(小アジア西部)を攻略中に急死

[三橋冨治男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android