日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンダーミーア」の意味・わかりやすい解説
バンダーミーア
ばんだーみーあ
John Samuel Vander Meer
(1914―1997)
アメリカのプロ野球選手(左投左右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のシンシナティ・レッズ、シカゴ・カブス、クリーブランド・インディアンスで投手としてプレー。快速球を武器にして、弱小球団時代のレッズを支えた左腕投手である。
11月2日、ニュー・ジャージー州プロスペクト・パークで生まれる。1937年、レッズに昇格。同年は3勝5敗だったが、翌38年に15勝10敗の好成績をあげた。なかでも、ブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)の本拠地、エベッツ・フィールドで大リーグ史上初のナイトゲームが行われた試合に登板し、前の登板試合に続いて2試合連続してノーヒットノーランを達成した偉業は、現在も語り草になっている。チームがリーグ優勝した1939年は5勝9敗、ワールド・シリーズを制した40年には故障で3勝1敗と低迷し、貢献することはできなかったが、41年に16勝13敗と復活し、奪三振202でタイトルを獲得、以降43年まで3年連続して奪三振王となった。1944年と45年は戦争のためプレーしなかったが、46年に復帰して10勝をマークした。1947年は9勝14敗と負け越したが、48年は17勝14敗と持ち直した。以降は不振続きでカブス、インディアンスと渡り歩き、1951年を最後に引退した。
13年間の通算成績は、登板試合346、投球回2104と3分の2、119勝121敗、防御率3.44、奪三振1294、完投131、完封29。獲得したおもなタイトルは、最多奪三振3回。
[山下 健]