改訂新版 世界大百科事典 「パフラビー文字」の意味・わかりやすい解説
パフラビー文字 (パフラビーもじ)
ササン朝ペルシア後期以後ゾロアスター教の書物を記すのに用いられているパフラビー語の文字。起源は22の子音文字から成るアラム文字で,これがイラン系の言語を写すのに用いられるようになると,いくつかの文字はアラム語系のイデオグラム(表意文字)のみに用いられるか,あるいはまったく用いられなくなり,また残りの文字のうちgとdとy,’(アレフ)とh,wとnとrがそれぞれまったく同形となって最終的には14文字を数えるのみとなった。さらに二つの文字の連続が第三の文字と同形になることもあり,読解は困難を極める。
執筆者:熊本 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報