ヒフキヨウジ(読み)ひふきようじ(その他表記)crested pipefish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒフキヨウジ」の意味・わかりやすい解説

ヒフキヨウジ
ひふきようじ / 火吹楊枝
crested pipefish
[学] Trachyrhamphus serratus

硬骨魚綱トゲウオ目ヨウジウオ科に属する海水魚。新潟県以南の日本海、岩手県沖、房総半島以南の太平洋、西太平洋、インド洋に分布する。体がきわめて細長く、尾部が長い。躯幹(くかん)部と尾部のそれぞれの上と下隆起線は連続しない。躯幹部の中央隆起線は尾部の下隆起線と連続する。吻(ふん)は短く、目の後縁と胸びれ基底中央までの距離より短い。吻背面の隆起は鋸歯(きょし)状。目の上縁はよく隆起する。背びれの基底部は盛り上がる。体は灰褐色で、12~13本の暗色横帯がある。雄の腹面に皮褶(ひしゅう)状の育児嚢(のう)があり、小型の卵は完全に包み込まれる。5~10月に卵をもった雄がみられる。水深15~100メートルの砂礫(されき)底や砂泥底に生息する。体長33センチメートルになる大型の普通種である。

[尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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