隆起(読み)りゅうき

精選版 日本国語大辞典 「隆起」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐き【隆起】

〘名〙
① ある部分が高く盛り上がること。特に、土地海面に対して高くなる自然現象。海面の低下によっても生じる。また、その所。
※山王絵詞(1310頃)二「両目に重瞳子あざやかに、頂骨また隆起して、かたち肉髻のごとし」 〔後漢書‐張衡伝〕
物事勢いが高まること。また、盛んにすること。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四「次第に声名隆起(〈注〉タカク)し、著述を以て家を成に至りけれども」

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デジタル大辞泉 「隆起」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐き【隆起】

[名](スル)
ある部分が高く盛り上がること。「豊かな胸の隆起
陸地周囲、特に海水面に対して相対的に上昇すること。「海底隆起してできた島」
物事の勢いの高まること。また、勢いを高めること。
「我が鉱山は未だ較著の事業を―すに足れりというを得ず」〈雪嶺真善美日本人

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「隆起」の意味・わかりやすい解説

隆起
りゅうき

ある地域地層岩体地盤周辺に対して相対的または絶対的に上昇すること。海水面に対して上昇することをさすときもある。規模成因を問わず用いられる。なお、隆起に対する語として沈降がある。

[伊藤谷生]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隆起」の意味・わかりやすい解説

隆起
りゅうき
uplift

海面に対して土地が高度を増大する現象。土地が湾曲しながら隆起することを曲隆と呼ぶ。陸地が隆起すると浸食基準面 (海面) との比高が増大するので,一般に浸食作用が強くなる。土地が間欠的に隆起すると,隆起の回数に応じて河岸段丘海岸段丘ができる。沈降に対する。

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普及版 字通 「隆起」の読み・字形・画数・意味

【隆起】りゆうき

盛り上がる。

字通「隆」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の隆起の言及

【地震災害】より

…日本の例では,濃尾地震(1891)における根尾谷断層が特に有名で,垂直方向のずれは6mにも達した。(2)隆起・沈降 上下方向に生じる地盤の変位である。(3)地すべり,山崩れ,崖崩れ,山津波 地盤が徐々に崩れる現象が地すべりである。…

※「隆起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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