鋸歯(読み)きょし

精選版 日本国語大辞典 「鋸歯」の意味・読み・例文・類語

きょ‐し【鋸歯】

〘名〙
① のこぎりの歯。また、それに似た鋭い歯や形状
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三「線鋸とは、鋼銕にて線を鍛成し、是に鋸歯をきり、両輪にて張りて旋転せしめ、板を其線にあてて截るものなり」 〔新論‐傷讒〕
植物の葉の縁にできるのこぎり状の切れ込みケヤキヤマザクラなどの葉にみられる。〔植学訳筌(1874)〕

のこぎり‐ば【鋸歯】

〘名〙
① のこぎりの歯。きょし。のこば。また、それに似てぎざぎざなさま。
※新猿楽記(1061‐65頃)「鋸歯而営於切角也」
刀剣刃文一つ。のこぎりの歯の形と同様の刃文をいう。また、刀剣を使用して刃がこぼれ、のこぎりのようにぎざぎざになったものをもいう。

のこ‐ば【鋸歯】

〘名〙 「のこぎりば(鋸歯)」の略。

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デジタル大辞泉 「鋸歯」の意味・読み・例文・類語

きょ‐し【×鋸歯】

のこぎりの歯。
植物の葉の縁にある、ぎざぎざの切れ込み。

のこぎり‐ば【×鋸歯】

鋸の歯。また、鋸の歯のようにぎざぎざになっているもの。きょし。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鋸歯」の意味・わかりやすい解説

鋸歯
きょし

葉の葉身周縁にあるぎざぎざをいう。歯状、毛状、波状などさまざまな形がある。鋸歯のない葉身は全縁とよばれる。カエデの類の葉身にみられる大きな切れ込みは欠刻とよび、鋸歯とはいわない。

[原 襄]

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