ピープルパワー2(読み)ぴーぷるぱわー2/ぴーぷるぱわーつー(英語表記)People Power 2

知恵蔵 「ピープルパワー2」の解説

ピープルパワー2

エドサ2とも呼ばれる。フィリピン大統領フィデル・ラモス後任のジョセフ・エストラダ大統領は庶民のための政治や反エリート主義を売り物にして、政権発足直後は圧倒的な人気を博した。しかし取り巻き政治が横行し、就任直後から人事抗争や腐敗汚職などのスキャンダルに見舞われた。2000年10月、違法賭博の上納金問題が明るみに出ると、大統領解任のための弾劾裁判所が設置されるに至った(同年11月)。大統領派は議会対策と法廷戦術で不起訴処分を勝ち取ろうとしたものの、反大統領派が国軍や実業界などとの密接な連携の下に、1986年の政変を範とする大衆動員による抗議集会をマニラのエドサ大通りなどで展開、01年1月20日、エストラダは辞任に追い込まれた。後任にグロリアマカパガル・アロヨ副大統領が昇格。エストラダが公金横領容疑で逮捕された後、その支持者は貧者のピープルパワー集会(「ピープルパワー3」あるいは「エドサ3」と呼ばれる)を開き、一部が反政府暴徒と化した。しかし、同年5月の中間選挙で与党が勝利し、新政権は一応の信任を得た。

(片山裕 神戸大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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