改訂新版 世界大百科事典 「フェルマー数」の意味・わかりやすい解説
フェルマー数 (フェルマーすう)
Fermat number
の形の整数をフェルマー数といい,とくに素数のときフェルマー素数という。以下,をFnと記す。F0=3,F1=5,F2=17,F3=257,F4=65537で,これらはすべて素数であることにP.deフェルマーが気づき,さらにFnはすべて素数であろうと予想したことによりこの名がある。フェルマーはまた (modFn)が成立することも示した。1732年にL.オイラーはF5=641×6700417と分解し,F5が合成数であることを発見した。彼はFnの素因数をpとすると,p≡1 (mod 2n⁺1)であることを見いだし,これを使ってF5の素因数641を見いだした。さらにルカスE.Lucasはn≧2のとき,Fnの素因数pに対してp≡1(mod 2n⁺2)であることを見いだし,これを使ってF12の素因数7×214+1を発見した。またFnが素数であるための必要十分条件は(mod Fn)であることも知られている(プパンP.T.Pepinの判定法)。n≧5のときFnが素数である例は知られていない。
執筆者:上野 健爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報