フシジン酸(読み)フシジンサン

化学辞典 第2版 「フシジン酸」の解説

フシジン酸
フシジンサン
fusidic acid

C31H48O6(516.69).Fusidium coccineumの産生する抗生物質.耐性ぶどう球菌感染症に効力がある.生合成的にはプロトラノスタン誘導体と考えられる.融点192~193 ℃.-9°(クロロホルム).λmax 210,240 nm(ε 9400,9900).エタノールアセトン,クロロホルム,ピリジン,ジオキサンに可溶.タンパク質合成系の伸長因子に結合して,タンパク質合成を阻害する.LD50 1.2 g/kg(マウス経口).[CAS 6990-06-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフシジン酸の言及

【抗生物質】より

… 上に述べてきた抗生物質以外で現在治療薬に用いられているおもなものには,バシトラシン(環状ペプチド),グラミシジン(鎖状ペプチド。グラム陽性菌に有効で,主として外用で用いる),フシジン酸(ステロイド構造。グラム陰性菌に有効で,内服,外用する),ホスホマイシン(グラム陽性菌および陰性菌に広い抗菌スペクトルをもち,内服あるいは注射で用いる),ノボビオシン(ブドウ球菌などのグラム陽性菌および一部のグラム陰性菌に有効で,内服,注射),リンコマイシン(グラム陽性菌に作用し,内服,注射)などがある。…

※「フシジン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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