LD50(読み)エルディーゴジュウ

化学辞典 第2版 「LD50」の解説

LD50
エルディーゴジュウ

50% lethal doseの略.物質急性毒性の強さの指標で,50% 致死量のこと.一定条件下で,一つの投与経路(経口皮下,静脈内,腹腔内,筋肉内など)から1回投与したのち,一定期間(通常1~2週間)内に動物の半数を死亡させる量を推計学的に算出したもの.mg/kg で表される.動物種および投与経路によって大幅に異なるので,LD50 には必ずこれらを付記して示す必要がある.一般に,一定の公比用量を設定し,一用量当たり10匹程度の動物に投与してそれぞれの死亡率を測定する.算出方法としては,Litchfield-Wilcoxon法,Van der Waerden法,Up and Down法などが知られている.放射線の場合には,Gy または C/kg で表される.X線あるいはγ線に対し,ヒトでは約7.7×10-2 C/kg.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

関連語 50%致死量

百科事典マイペディア 「LD50」の意味・わかりやすい解説

LD-50【エルディーごじゅう】

50%致死量(lethal dose)。薬物の急性毒性の一つで,実験動物群の50%を殺す毒物の量。個体感受性の差が著しいときは最小致死量より精度が高い。電離放射線の場合には,強力な一時全身照射で照射後30日以内に被照射個体数の50%が死ぬ量。30日でなく,たとえば20日後まで観測した場合にはLD-50(20)と書く。

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