フラッシュマーケティング(読み)ふらっしゅまーけてぃんぐ

デジタル大辞泉 の解説

フラッシュ‐マーケティング(flash marketing)

インターネット上の販売手法の一。わずかな時間で集客と販売を行うもので、共同購入型クーポンサイトに代表される。制限時間内に一定人数以上の申し込みがあった場合にのみ、割引クーポンなどが販売される。販売者側には、短時間に集客することで店舗ホテルなどの稼働率を上げられるという利点がある。集客のために、短時間で情報の広まりやすいソーシャルメディアが重要な役割をもつことから、ソーシャルコマース一種といえる。瞬間マーケティング。売り切りマーケティング

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 の解説

フラッシュマーケティング

特典のあるクーポンを日替わりでオンライン販売する手法。「Groupon型サービス」はフラッシュマーケティングの草分け的存在として有名である。「Flash(閃光)」のように瞬間的にユーザーに情報を伝達し、また、短い期間でクーポンを販売することからこの名がついたと言われる。
現在では、モバイル環境の充実とともに、Twitterなどのソーシャルメディアを利用することで、広範囲のユーザーに短時間での口コミ普及が可能になった。この環境を生かすサービスの一つとしてフラッシュマーケティングが登場した。手間と時間をぎりぎりまで削減し、エンドユーザーと直結することで割引率を大きくとれるのがこのサービスの特徴だ。最低販売数が設定されており先着順で購入できるのはギャザリングと同様の形態だが、販売されるのはクーポンで1日(または数日)の期限がある。クーポンの販売期限が短いためユーザー同士の競争が発生し、アクセス数の増加を加速させる。その上、割引率が高いので、未知のサービスに対する抵抗払拭(ふっしょく)され、ユーザーの購買欲をそそる。
フラッシュマーケティングはGrouponの成功をきっかけにサービスが乱立状態となり始めた。日本では2010年現在、20社前後のサービスが乱立しており、すでに淘汰(とうた)が始まっている。また、フラッシュマーケティング向けのASPサービスも増え始め、簡単にサービスを提供できる環境も用意され始めている。このため、フラッシュマーケティングの開設が簡略化され、従来の主要な市場であったレストラン、観光ツアー、各種イベントやエステサロン、文化教室など以外にも多くのジャンルでフラッシュマーケティングが利用されることが予想されている。

(佐橋慶信 ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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