フロリダブランカ伯爵(読み)フロリダブランカはくしゃく(その他表記)Conde de Floridablanca

改訂新版 世界大百科事典 「フロリダブランカ伯爵」の意味・わかりやすい解説

フロリダブランカ伯爵 (フロリダブランカはくしゃく)
Conde de Floridablanca
生没年:1728-1808

スペインの政治家。本名José Moñino。サラマンカ大学で法律を学び,弁護士となり,蔵相エスキラーチェ侯爵の知遇を得て行政手腕を認められた。カルロス3世の登用で王室顧問会議員に就任し,啓蒙的専制政治を推進した。67年イエズス会士追放計画に参画,72年ローマ駐在大使に任命された。77年宰相就任,産業,運輸,金融の整備・改革に努めた。また王の信任を得て富国強兵に尽力した。88年カルロス4世が即位し,翌年フランス革命が起こると革命の影響を恐れ,反革命の政策をとり,ルイ16世の救出に奔走した。しかしアランダとゴドイらの反対勢力の陰謀で失脚,パンプロナに幽閉された(1792)。釈放後,名誉回復はなったが,公的生活から離れ,晩年はセビリャで暮らした。1808年ナポレオン軍の侵入時にセビリャで最高中央評議会議長に選出されたが,同地で死去した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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