山川 世界史小辞典 改訂新版 「ブコヴィナ」の解説
ブコヴィナ
Bukovina
現在のルーマニア北部とウクライナ南部にまたがる地域。カルパティア山脈の中央部から南東部の丘陵地帯で,「ブナの木の地方」の意味。ドニエストル川などによって黒海と結ばれており,交通の要衝地として発達した。14世紀に成立したモルドヴァ公国の首都が,ブコヴィナ南部のスチャヴァに置かれた。その後,オスマン帝国やハプスブルク帝国の統治下に置かれ,ドイツ人をはじめ大規模な植民が行われ民族的な多様性を増した。1919年,ルーマニアに帰属したが,北ブコヴィナは40年にソ連の占領下に置かれ,ウクライナの一部となり現在に至る。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報